猫を飼っている人は、避妊手術後の心配や不安などを感じたことはありませんか。手術を終えて一安心しても今までとは違う行動が増えれば、飼い主は「どうしよう?」という不安な気持ちになるかもしれません。
今回はそんな猫の避妊手術後に気をつけるポイントや避妊手術後の生活習慣についてお伝えします。
猫の避妊手術直後の2つの体調・状態
1. 手術の疲労
避妊手術は猫にとっても慣れない初めての手術です。これまで感じたことがない疲れがあります。
以前に比べて静かにしているかもしれませんが、元気がないからと無理に遊ばせたりせず、元気になるまでそっと見守ってあげてください。
2. 違和感がある
手術部分を中心に、気にするしぐさが多い場合は少し注意をしましょう。
痛みなのか、それとも単に違和感を感じているだけなのか?
飼い主として、継続して見守ってあげてください。
あまりにもその様子が続くようであれば、獣医に聞いてみましょう。
猫の避妊手術直後の3つの接し方の注意点
1. 今までと同じように接する
飼い主が変に意識しすぎると、猫も緊張してしまいます。
可能な限り、これまでと変化がないように接してあげましょう。
2. 局所部分の扱い方
手術した後ですから、当然多少の痛みが残っている場合や違和感があります。
多少舐めるくらいなら問題ありませんが、糸を引き抜こうとしたり過剰に反応する場合もあります。
そういった場合はエリザベスカラーなどを付けることを検討しましょう。
ただし、エリザベスカラーをつけることを嫌がり別のストレスがかかる子もいます。
つけるかどうかの判断は獣医師さんと相談して決めてください。
3. 性格の変化
他の動物でもそうですが、去勢や避妊後はホルモンバランスの変化から性格が変わることがあります。
少し戸惑うかもしれませんが、飼い主として受け入れていきましょう。
猫の避妊手術直後の3つの食事のポイント
1. 獣医の指示をよく聞く
手術後とひとくくりにしても、猫がどのような体調になっているかは千差万別です。
いずれにしても手術前も食事制限が出るため、しっかりと獣医の話を聞いてどうするかを確認することが大切です。
2. 食欲不振
避妊手術後 1 日、2 日は食欲不振が続きます。
もともと猫は食事を少しずつ食べる習性があるため、とりあえず餌の準備は行い、ゆっくり様子を見てあげてください。
3. 食欲過剰
逆に食欲が良好になるケースもあります。
その際にはあげ過ぎないようにしましょう。
食べてくれることの喜びのあまり、飼い主が食べさせすぎて猫の体調を悪くさせないように気を付けてください。
猫の避妊手術後の回復までの期間
1. 目安は2〜6日
個体差もあり、何を持って回復とするかも難しいですが一般的に2〜6日が目安とされています。食欲、トイレ、睡眠など完全回復にいたるまではもう少しかかるとは言われています。
2. 飼い主の役割
猫の細かい変化の目配り、気配りが必要になります。しかし、過剰な心配や意識しすぎてもダメな部分もあります。どちらも猫は敏感に感じ取ることが出来ます。
術後に重要な3つの注意点
1. 食事の管理
猫は避妊手術の後に急激に太りやすくなります。
猫が術後に太るのには2つの理由があります。
1つは、生殖器に使っていたエネルギーが使われなくなるから。
特にメスの場合、全体の30%ものカロリーを子宮を始めとした生殖器に使用しています。
そのため、それがなくなるだけでかなりエネルギーが余ってしまい太りやすくなるわけです。
もう1つは、猫の本能。
猫にとって「食欲」と「性欲」というのが2大本能ですが、そのうち一つがなくなることで、残った「食欲」という本能がより活発になって食欲が増すというわけです。
そういった理由から飼い主はしっかりと食事を管理することが重要になってきます。
避妊手術後は多くの猫が太りやすくなっています。
「これまでと同じ食事を与えているのに急に太りだした。」なんてのはよく聞く話です。
肥満は万病の元。
避妊後は食事の量を少なくするか、いままでとフードを変えてあげるのも一つの手でしょう。
去勢・避妊後の猫にオススメのキャットフード
2. トイレの失敗の増加
麻酔の効き目次第ですが、トイレを失敗してしまう猫もいます。
数日で戻ることが通常ですが、続いてしまう際には一度診察をしてもらいましょう。
トイレに失敗するからと猫に手をあげることは絶対禁止ですよ。
3. 睡眠への不安
睡眠が急激に増えても、減ってしまっても不安は感じるかもしれません。
一時的なものではなく1週間程度同じ状態であれば一度、病院に相談しても良いかもしれません。
個体差もあるため猫次第ですが、飼い主は冷静に猫をみてあげましょう。
体調が思わしくない場合にすべき3つの行動
1. 今までとは違う
避妊手術前と違った行動を見せる場面は猫によって様々ですが、手術前との違いは飼い主が良く分かるはずです。
まずはそれに気が付けるかが重要です。
2. 獣医との関係性
これは猫には関係なく、飼い主の役割です。
動物病院は数多くありますが、自分のペットを見て貰った病院とは良い関係性で続けていくことが問われます。
緊急事態に頼れるところがあるのは支えになりますよね。
3. 食欲・排泄・睡眠
この 3 点は生命に関わる問題になります。
可能な限り飼い主が親身になって考えてあげてください。軽い気持ちで考えないことです。
猫の避妊手術後の飼い主の2つの心構え
1. 冷静で見てあげること
飼い主の焦りは猫の焦りにも繋がりますし、飼い主の行動を想像以上に猫は見ています。
何が起きても安心という気持ちを忘れずに、信頼関係をしっかり結びましょう。
2. 猫に手を挙げない
手術をした後で体調も本調子ではないのですから、どんなに猫が失態をしてしまっても飼い主は広い心を持って接してあげてください。
猫が飼い主に怯えてしまっていませんか。一歩間違えればそれは虐待として位置づけられますよ。
今回のまとめ
猫と飼い主がいかに信頼関係を結べるかが必要です。
手術後の猫の変化を敏感に見るためにしっかり、手術前の状態もしっかり把握しておきましょう。
猫にも個体差があります。複数飼っていても、他の家の猫とは違うとしてもそれは個性です。
飼い主の義務と心構えは必ず頭に入れて過ごす必要があります。