街を歩いていると見かける、黒と茶の混じったべっ甲柄のような猫。この猫は、通称、サビ猫と呼ばれています。しかし最近ではその個性的な柄と性格の良さに魅せられ、飼育する人が増えています。ここでは、そんなサビ猫の性格、特徴について紹介します。
サビ猫の紹介
1. サビ猫の原産地
サビ猫は基本的に雑種なので、日本では野良猫として多く見かけられます。
外国では長毛種では「ペルシャ」「セルカークレックス」「ターキッシュアンゴラ」から、短毛種では「ブリティッシュショートヘア」「マンクス」「ヨーロピアンショートヘア」「エイジアン・セルフ」「ヨーロピアン・バーミーズ」「トンキニーズ」といったブランド猫から、ごく稀に生まれることがあります。
2. サビ猫の平均体高・平均体重
サビ猫は雑種なので体高や体重は個体によります。
ただ、スリムで手足が長い、スタイルの良い子が多いようです。
3. 日本で飼育されている数・名前のルーツ
サビ猫は基本的には雑種なので、野良猫から飼い猫になる子が多いようです。そのような状態なのでサビ猫の正確な飼育数は分かっていません。
サビ猫は毛色が明るい茶トラ柄(赤)の上に黒がまばらにかかっていて、赤茶色の錆びの色に似ていることからサビ猫と呼ばれています。ちなみに、黒が多ければ「黒サビ」、赤が多ければ「赤サビ」とも呼ばれます。
また外国ではその毛色と陽に当たった時の輝きから、英語で「トータシェル(べっこう)」と呼ばれるほどの貴重な存在です。
4. サビ猫の平均寿命
サビ猫の平均寿命は個体によります。
寿命が長い子もいれば短い子もいます。ただ、先ほども紹介したように基本的に雑種のほうが体は丈夫です。
そのため食事などの健康管理に気をつけて、愛情を持って接していけばかなりの長寿を期待できるでしょう。
知っておきたい!サビ猫の性格の3大特徴
1. 賢い
サビ猫はとても状況に応じた行動ができる賢い性格の子が多いです。
愛情を注ぎながら、きちんとしたしつけを行いましょう。
2. 愛情豊か
サビ猫は毛色の染色体から、ほとんどがメスです。
サビ猫はメスが多いからか、猫の中では特に愛情深く子育てに向いています。
子猫がいる家庭なら愛情を持って接するため、子猫の良い遊び相手となり、また猫としてのしつけをしっかりと行ってくれます。
また、小さなお子さんのいる家庭では、自分の子供のように愛情を持って接してくれることでしょう。
飼い主さんへの愛情表現も豊かでかわいらしい限りです。
3. 奥ゆかしい
飼い猫はしつこいくらい甘えたがりの子が多いのですが、サビ猫はベタベタとした甘え方をせず適度な愛情表現を行います。
また多頭飼育の場合は、我先にご飯にありつくということはせず、相手に譲るような性質を持っています。
相手に遠慮した態度をとるので、自己主張の強い子との生活では波長が合わず非常なストレスを感じることがあります。
その点は注意してあげてください。
種類の違いは?サビ猫の2つのタイプ
1. 毛の種類は2種類
黒と茶トラ柄の赤とが混じった毛色がサビ猫ですが、中には白い毛が混じった三毛猫(トーティ・アンド・ホワイト)と呼ばれるタイプもいます。
2. サビ猫はメスが多い
独特な毛色を作り上げている、赤と黒の毛色は、実はX染色体からできています。
X染色体はメスを示すものです。
従ってサビ猫はメスしかいないということになります。
しかし少ないですが三万分の一の確率で生まれるオスも存在します。
このオスはクラインフェルター症候群と呼ばれ、染色体XXYを持った染色体異常の個体とされています。
このためオスのサビ猫は非常に珍しい、希少価値が高い猫であるといえるでしょう。
違いはあるの?オスとメスでの性格の違い
1. メスの特徴
メスがほとんどのサビ猫ですが、性格は賢く、愛情豊かで奥ゆかしい子が多いようです。そのため非常に子育てに向いています。
子猫が生まれれば、世話を甲斐甲斐しく世話を行い、子猫の遊び相手となり、親として躾をしっかり行うとても良いお母さんになります。
2. オスの特徴
オスであれば、メスの特徴を持った子煩悩なお父さんタイプであり、落ち着いた性格といえるでしょう。
なんだか人間に似ていて好感が持てますね。
しかし、一般家庭では避妊手術・去勢手術が一般的です。
術後は痛みや体の調節機能の関係で一時的に落ち着きがなくなりますが、しばらくすればほぼ元の状態になるので問題はありません。
サビ猫を飼う人に向いている3つのポイント
1. 差別意識がない人
サビ猫はその見た目から嫌われることが多い猫です。見た目の柄を汚く思い、嫌がるような人には向きません。
見た目を気にせず、どんな子でも愛情を注いいでいける差別意識のない人に向いています。
2. 猫の本質・魅力を見抜ける目を持てる人
サビ猫も命を持った生き物です。その子の個性、魅力を発見でき、一生涯愛情を注いでいける人に向いています。
3. 愛情深く世話をすることができる人
1.や2.を持ち合わせ、さらに分け隔てなく愛情を注いでお世話ができる人が飼い主なら、サビ猫も一生幸福に過ごせることでしょう。
ここがポイント!しつけのコツとは
1. いけないことをしっかりしつける
サビ猫は賢いので、教えたことはすぐに覚えてしまいます。
犬のしつけと同じように、いけないことはいけない!としっかり教え込むことが大事です。
2. ほめるときはしっかりとほめる
叱るときとよいことをしたらしっかりほめるということを区別して、行いましょう。メリハリをつけて教え込めば、やっていいことと悪いことの区別がついた、飼い主さんにとってかわいいいい子に育ちます。
要注意!サビ猫を飼育する場合に特に気をつける6つのこと
1. 野良猫から飼い猫にするときの注意点
野良猫から家庭猫として迎えるパターンがほとんどとなるため、人に慣れるよう、餌付けをしながら様子を見て徐々に距離を縮めていきます。
慣れてきたところで、自宅に招き入れます。
2. すぐに動物病院で健康チェックを
野良猫であれば体にノミ・ダニが寄生している可能性があります。
皮膚病の原因にもなるため、しっかり駆除を行いましょう。
また、必ず信頼できる動物病院で診察してもらい適切な処置を行ってください。
体調管理のためにも定期的な健診に行くようにしましょう。
3. 室内で清潔な環境を用意する
猫は一般的にきれい好きです。
また衛生面は体の健康にも影響します。清潔な環境下で飼育できるよう、まめな掃除や猫のお手入れを心がけましょう。
4. ストレスのない飼育環境を用意する
サビ猫は室内飼育では小さなお子さんがいる家庭や多頭飼育となると、相手に一歩譲ってしまうような奥ゆかしい性格から多大なストレスを受けやすくなります。注意が必要です。その子に合った食事や体のケア、遊び道具や寝る場所、トイレなど配慮してあげましょう。
5. 適切な温度管理と新鮮な飲料水を用意
夏の暑さや冬の寒さは体調に関係してきます。特に夏は暑さから熱中症を起こして死に至ることが多いです。室内では風通しの良い涼しい場所やクーラーをつけるなど過ごしやすくします。車移動の場合も風通しを良くし、高温になる車内に放置しないよう注意しましょう。
また水分補給ができるよう、新鮮なお水を用意しましょう。もしも体が異常に熱くなり、呼吸が荒い、ふらつくなどの症状があれば熱中症を起こしている可能性が高いです。必ずかかりつけの動物病院に連絡し緊急処置を行いましょう。呼吸を楽にさせ、濡らしたタオルで体を包む、氷枕などを頸動脈にあてて早急に体温を下げるようにします。
ほったらかしは命にかかわる一大事です。ふだんから熱中症対策をしっかりと行いましょう。夏が終わればすぐ冬が来ます。冬は猫でも寒さから風邪を引くことがあります。サビ猫が過ごしやすいように室内を適度に暖めてあげましょう。
6. 毎日触れ合う時間を作る
飼い主さんと触れ合う時間は、サビ猫にとってとても幸福な時間です。猫用のおもちゃを使って適度に遊んであげましょう。
また決して猫が嫌がるような構い方をしないようにしましょう。この行為でサビ猫との信頼関係が一気になくなってしまので注意が必要です。
触れ合うことでサビ猫のストレス解消や運動不足解消、飼い主さんとの絆・信頼関係が強くなります。体の異変にも気づけるので、必ず毎日触れ合いましょう。
飼い主としての喜び・・サビ猫を飼う魅力とは?
媚びるように甘えて飼い主に接する猫が多い中、毛色は独特で個性的でありながら状況判断をしっかり行って行動ができ、愛情深く奥ゆかしい性格のサビ猫。
まさに生涯のパートナーにぴったりと言えるでしょう。
生活の中でサビ猫から教わることもあり、お互いに離れがたい存在になることでしょう。
今回のまとめ
サビ猫の紹介
雑種なので日本では野良猫として多く見かける。
毛色が明るい茶トラ柄(赤)の上に黒がまばらにかかっていて、赤茶色の錆びの色に似ていることからサビ猫と呼ばれている。
知っておきたい!サビ猫の性格の3大特徴
サビ猫は毛色の染色体から、ほとんどがメスが多いからか、愛情豊かで奥ゆかしい。賢い猫なので愛情を注ぎながらきちんとしたしつけをする。
種類の違いは?サビ猫の2つのタイプ
黒と茶トラ柄の赤とが混じった毛色がサビ猫ですが、中には白い毛が混じった三毛猫(トーティ・アンド・ホワイト)と呼ばれるタイプもいる。
違いはあるの?オスとメスでの性格の違い
メスがほとんどのサビ猫、賢く愛情豊かで奥ゆかしい子が多い。
オスはメスの特徴をもった子煩悩なお父さんタイプ。落ち着いた性格。
サビ猫を飼う人に向いている4つのポイント
サビ猫は見た目で嫌われることが多い猫なのでどんな子でも愛情を注げる差別意識のない人。
ここがポイント!しつけのコツとは
犬のしつけと同じようにいけないことはいけないとしっかり教える。
褒める時はしっかり褒める。
要注意!サビ猫を飼育する場合に特に気をつける6つのこと
餌付けをしながら様子を見て徐々に距離を縮める。
すぐに動物病院で健康チェック
清潔な環境を用意する
ストレスのない飼育環境を用意する
温度管理としんせんな飲料水を用意する
毎日触れ合う時間をつくる
飼い主としての喜び・・サビ猫を飼う魅力とは?
毛色も独特で個性的なサビ猫。
状況判断をしっかりできて愛情深く奥ゆかしい性格。
生涯のパートナーにピッタリの猫。