特徴的な模様と毛並みがとても美しく、クールで穏やかそうな見た目とは逆に、しなやかな身体で活発に動き回るのが大好きなベンガル。
今回は、そんなベンガルの性格やしつけのコツや注意点など調べてみました。
ベンガルの紹介
まずはベンガルについて簡単にご紹介します。
1.ベンガルとは
ベンガルの原産国は「アメリカ合衆国」です。
一見すると小型のヒョウやジャガーのようなワイルドな印象を与えますが、見た目とは逆に人懐っこいところもあり日本でも人気の猫種です。
ベンガルにはグリッターと呼ばれる金色でシルクのようにキラキラと光る被毛がありますが、親からの遺伝も関係しているようですから中にはグリッターのない猫もいます。
また、ベンガルはハイアポアレジェニックキャット(低刺激性猫)と呼ばれ、猫アレルギーが出にくい猫種といわれています。
その理由は、他の猫と比べてグルーミング(毛繕い)を行う回数(時間)が少ないため、抜け毛に付着した唾液やフケなどの拡散が最小限で抑えられるからです。
もし、「猫アレルギーだけど猫が大好きで飼ってみたい!」とお考えなら、ベンガルは最適かもしれませんよ。
猫の中では珍しく水を怖がらないベンガルは、自ら水場に寄ってくことがあるので落ちてあがれない、といった事態も考えられます。
万が一を考えてお風呂の水を抜いておく、フタをする、扉を閉めるなどの対策が必要です。
2.ベンガルの平均体高・平均体重
体型は、他の猫より背骨が一節多いため胴長で、しっかりとした骨格で筋肉質の中型~大型タイプ。
平均体高はオス55cm~80cm、メス55㎝~70㎝。
平均体重はオス5kg~8kg、メスは3kg~5kgと個体差があります。
3.ベンガルの名前のルーツ・簡潔な歴史
日本では「ベンガル山猫」と呼ばれるベンガルの名前は、インド~インドネシア周辺に生息するアジアン・レパードの学術名(ラテン語)である
「フェリス・ベンガレンシス」から由来しています。
原種の誕生が1963年と比較的歴史が浅いベンガルは、「イエネコ」とアジアンレオパードとも呼ばれる「ベンガルヤマネコ」を交配して生まれた猫種です。
昔のベンガルはベンガルヤマネコの野性味を強く残していましたが、イエネコやその他の猫種と交配を続けることで、現在のような可愛らしいベンガル猫が誕生しました。
また、猫の白血病の研究のためアメリカのカリフォルニア大学でイエネコとベンガルヤマネコの交配が実験的に行われた結果、ベンガルは猫白血病にかかりにくいといわれています。
4.日本で飼育されている数
現在では、2万匹以上のベンガルが世界中からTICAに血統登録をされていて、日本でも人気の高い毛柄の猫として、年々ファンを増やしているといわれています。
5.ベンガルの平均寿命
ベンガルの平均寿命は14歳前後と言われていますが、ストレスがかからないような環境と適度な運動、食事の管理を気を付けることで寿命は変わってきます。
6.ペットショップでの購入価格
子猫のベンガルはその独特の野性的な容姿から、とても人気があるので取り扱っているペットショップも多いようです。
月齢が低いほど高値になる傾向があり、被毛の色も人気のブラウンより希少なシルバーが1~2万円程高くなるようです。
また、被毛の模様でもヒョウのようなロゼット模様がより高価になります。
価格は20~35万円前後です。
種類の違いはあるの?被毛の模様3つのタイプ
ベンガルの一番の特徴である被毛の模様には大きく分けて3種類あります。
それぞれの特徴をみてみましょう。
1.スポット模様(スポテッド)
模様の特徴・・・単色の斑点が体に点在しています
ベンガルのなかで一番多いスポット模様はペットショップでもよく見かけられロゼット模様と比べると人気も低くその分、価格も若干安くなるようです。
2.ロゼット模様
模様の特徴・・・大小様々なドーナッツ状だったり繋ぎ目のないものや、外枠の濃い色と内側の薄めの色の2色で構成されている
それぞれの模様の形や大きさ、配色がいろいろあり見ているだけでも楽しそうですね。
ロゼット模様とは、見たままの「ヒョウ柄」で、この模様がでる条件は純粋な野生種の血が入った猫種のみといわれていますので、べンガルだからロゼット模様になるとは限らないようです。
そのため絶対的に頭数が少ないことと、3つの模様の中でも最も人気が高く、コントラストが美しいロゼット模様ほどお値段も高くなります。
ロゼット模様には5つのパターンがあります
- ドーナツ型ロゼット
ドーナツ状で3色で構成されている - アローヘッド型ロゼット
矢の先端の様な形で2色で構成されている - ローズ型ロゼット
ドーナツ型状だが繋がっておらず2色で構成されている - ジャガー型ロゼット
ドーナツ状で内側に小さな点がある - ワイルド型ロゼット
大きな柄模様で構成されている
3.マーブル模様
マーブル模様…大きな渦巻き柄の縞模様で濃淡の2色で構成されています
模様としては珍しいのですが、価格的にはスポット模様とあまり変わりません。
理解してあげよう!ベンガルの性格の4大特徴って?
1.容姿と違って穏やかな性格
見た目通りワルドでさぞかし気性が荒いのでは?と思われがちなベンガル。
しかしイエネコの血筋の影響からか、じつは穏やかでのんびりした性格です。
ただし、子猫の時期はとても活発で2歳を過ぎたあたりから段々と落ち着いてきます。
2.甘えん坊
ベンガルは猫によく見うけられるツンデレやクールさよりも、甘え上手で可愛らしい一面が見られます。
飼い主のことが気になって近づいてきたり、体をぺったりくっつけて擦り寄ってきたり喉をゴロゴロ鳴らしたりと、意外と甘えん坊なところがベンガルの性格を良く表しているといえます。
3.社交的でおしゃべり
ベンガルは人懐っこくて賢いので、まわりの人間に鳴き声で呼びかけたり逆に人間からの呼びかけに対しても鳴き声で返事をしたりと、愛想たっぷりでとても社交的です。
4.敏感な性格
一説によると、ベンガルは残ってしまった野生の遺伝子の影響で、ややものごとに敏感なところがあるようです。
飼い主さんの行動や環境の変化など、いつもと違うと不安に感じてストレスを抱えることがあるので注意が必要です。
性格の違いは?オスとメスでの違い
1.オスの性格・・・明るく甘えん坊
- 感情表現がわかりやすい
- 穏やかな性格
- 甘えん坊
- 初対面の人にも友好的
もともとベンガルは優しい性格ですが、去勢手術をしたあとはより温厚な性格になるオス猫もいるようです。
ですが、オスのベンガルは縄張り意識が強いため、オス同士の多頭飼いを考えている場合は喧嘩の心配がありますので注意が必要です。
2.メスの性格・・・クールでおとなしい
- 感情表現は控えめ
- オスに比べるとクール
- 人懐っこい
- 自立心が高い
ベンガルのメス猫はあっさりした性格が多いようなので、猫とのふれあいの時間を楽しみたいのであればベンガルのオス猫がおすすめです。
また、避妊手術をしたからといって性格が変わることはほとんどありませんが、中には手術によって太りやすくなり運動量が減ってしまう猫もいるようですから、しっかりと遊んだり食事の管理に気をつけましょう。
どんな人が向いている?ベンガル猫を飼う人に向いている3つのポイントとは?
1.猫と遊ぶのが好き
ベンガルはほかの猫に比べると運動量が多いタイプです。
家具などがない専用の広いスペースを準備して高低差のあるキャットタワーなどを設置して上下運動など十分に動き回れる環境を準備してあげましょう。
また、飼い主さんが一緒になって遊んであげるととても喜びますから、おもちゃなどで一緒に思いっきり遊んであげましょう。
2.お散歩が好き
ベンガルを飼うにあたり、諸事情から遊ぶための十分なスペースが確保できずに運動不足の不安がある場合は、外へのお散歩がおすすめです。
その場合は、しっかりとワクチン接種をおこない、犬と同様にハーネスをつけて散歩に出かけるようにしましょう。
3.一緒に過ごす時間が確保できる
オス猫はもちろんのことメス猫はクールな性格とはいえ、ほかの猫と比べるととっても社交的で人懐っこくて、飼い主さんに擦り寄ってきたり、話しかけてきたりと触れ合うことが大好きです。
そんなときは時間を気にせず相手をしてあげると、信頼関係もより一層深くなることでしょう。
ここがポイント!ベンガルのしつけの3つのコツとは?
1.遊びながらしつける
ベンガルの子猫はよく動き回りとってもやんちゃ。
ですが、賢くて洞察力、観察力も備わっているので一緒に遊びながら「して良いことと悪いこと」をきちんと教えて行けば身に着けてくれます。
2.後追い対策には多頭飼いで回避
ベンガルの中には、飼い主の外出を妨害するほど甘えん坊もみられるようです。
言い聞かせても目に余るようでしたら、相性がいい猫を迎えるなどの多頭飼いで飼い主さんから気をそらす対策もおすすめです。
3.物を出しっぱなしにしない
ベンガルは子猫の時期に部屋の中を走り回ったり高いところに昇ったりして、物を落としたり噛んだりして飼い主さんを困らせることが多々あるようです。
もし大事な物を落とされたり噛まれて困るような物は、ベンガルの目の届かないようにきちんと片付けてしておきましょう。
特に注意したいのは、長いコードが猫じゃらしの様に見える電話の充電器。
使ってそのままうっかり置きっぱなしにして、コードをかじられたり、かじってそのまま飲み込んでしまった、というような事例もあるようですから、充電したら片付ける、または見えないところで充電するなどの対策が必要です。
ベンガルの飼育で特に注意する4つのこと
1.運動不足に注意
運動量が多いベンガルは、十分に動き回れる環境でないとストレスが溜まりってしまいます。
また、運動不足による肥満への不安は寿命にも関係してきますので、ベンガルが思いっきり運動できる環境と時間を与えてあげましょう。
2.構ってあげる時間が少ない
人懐っこくて甘えん坊なベンガルは、飼い主さんと遊んだり触れ合う時間がしっかり確保できないと、甘えられないもどかしさからストレスを溜め込んでしまいます。
ベンガルを飼う以上は、毎日時間をとってしっかりと相手をしてあげる心構えが必要です。
3.環境の変化はストレスの元
小さな変化にも意外と敏感なベンガルは引っ越しはもちろん、お部屋の模様替えやトイレや水を飲んだり食事の場所などが変わることにもストレスを感じてしまう子もいるようです。
人からすると何気ないことですが、掃除したときなどにうっかり水を入れた容器を移動させたままだったり、毎回食事をあげる場所が違っていたりすることがベンガルからするとストレスの連鎖になってしまう恐れがあります。
引っ越しの際は静かでゆっくりと休める場所を作ってあげましょう。
どうしても模様替えが必要なときは一度に変えるのではなく少しずつ変えて、トイレの場所、食事の場所、水を飲む場所などは定位置を決めておくようにしましょう。
4.しつけは子猫のうちに
猫全般にいえることですが特にベンガルの子猫は良く動き回りやんちゃですから、「ベンガルは穏やかな性格のはずなのに・・・」と、時にはそう思われることがあるかもしれません。
性格が穏やかといっても子猫のうちは、どの猫種も同じく人の足のようによく動くものに対しては狩猟本能で捕獲しようと手を出したり噛んできたりします。
飼い主さんに遊んでほしかったり、乳歯がムズ痒かったりと、いろんな理由が考えられます。
もともと動物たちは親や兄弟と一緒に過ごすことで「噛まれたら痛い」「引っかかれたら痛い」など、自分がされることで「力加減」や「防衛策」などを身に着けていくといわれています。
ですが、ペットショップにいる子猫たちは小さなうちに親兄弟と引き離されてしまうことから、そのような勉強をしないまま人間のもとへ引き取られていきます。
飼う側の責任として、飼い主さんが親代わりとして遊びながら繰り返し言いきかせてしっかりとしつければ大丈夫です。
その時注意しなくてはいけないのが、大声で叱ったり叩いたりしないことです。
体罰や抑圧は怯えや不信感を招くこともありますので、そのときの気分で叱るのはやめましょう。
噛まれたり引っかかれた時は、「痛い!」「やめて!」と、痛かったりされて嫌なことだとアピールしたり、爪を切るなどの対処を行うことをおすすめします。
とはいえ、やんちゃな子猫の時期はあっと言う間で、成猫になると落ち着きがみられるようになりますので、愛情をもって育ててあげて下さい。
ペットにする喜び・・・ベンガルを飼う魅力とは?
1.小さくてもワイルド
見た目がワイルドな豹柄のベンガルは、好みが分かれるところですがこのワイルドさが好きな飼い主さんにとっては、ほかの人には計り知れない「ベンガルを飼う喜び」があるようです。
2.一緒になって遊べる
高い所などへの昇降が大好きなベンガルは、飼い主さんにも前後構わず飛び乗ってきたり、おもちゃで遊んだり一緒になって遊べて充実感が得られますよ。
3.飼い主さん大好き
甘えん坊のベンガルは飼い主さんのところへやってきては、スリスリしたりゴロゴロと喉を鳴らしたり「一緒にいたい」「大好き」と見た目のギャップに愛おしさを感じることでしょう。
まとめ
1)ベンガルの原産国は、アメリカ合衆国・体高はオス55cm~80cm、メス55cm~70㎝・体重はオス5kg~8kg、メスは3kg~5kg・筋肉質の中型~大型タイプ
・平均寿命は14歳前後。
2)ベンガルの被毛の模様は、スポット模様・ロゼット模様・マーブル模様の3タイプ。
3)ベンガルの性格の4大特徴は、容姿と違って穏やかな性格・甘えん坊・社交的でおしゃべり・敏感な性格。
4)ベンガルのオスとメスでの性格の違いは、オスは明るく甘えん坊でメスはクールでおとなしい。
5)ベンガルを飼う人に向いている3つのポイントは、猫と遊ぶのが好き・お散歩が好き・一緒に過ごす時間が確保できる。
6)ベンガルのしつけの3つのコツは、遊びながらしつける・後追い対策には多頭飼いで回避・物を出しっぱなしにしない。
7)ベンガルを飼育する場合に特に注意する4つのことは、運動不足に注意・構ってあげる時間が少ない・環境の変化はストレスの元・しつけは子猫のうちに。
8)ベンガルを飼う魅力は、小さくてもワイルド・一緒になって遊べる・飼い主さん大好き。