ネコの飼い方

猫の長生きのための腎臓ケア!猫と腎臓病について

猫は先天的に泌尿器科系の病気にかかりやすいといわれています。猫は少量の水でも生きていける能力を持っているのですが、それが災いして腎臓に大きな負担がかかってしまうのです。今回はそんな猫と腎臓病について詳しくご紹介します。



猫の長生きのための腎臓ケア!猫と腎臓病について

歳を重ねると多くの猫が腎臓病を発症します

15歳を越えた高齢猫の3割以上腎臓病にかかっています。
なぜ猫は腎臓病をはじめとする泌尿器科系の病気を発症しやすいのでしょうか?
その原因は猫の祖先が暮らしてきた環境にあります。
猫の祖先はリビアヤマネコです。
砂漠で暮らすリビアヤマネコは少ない水でも生きていける能力を持っています。ただ、生きていけるといっても摂取する水の量が少ないため尿は当然濃くなります。
イエネコもこの先祖の体質を引き継いでおり、少量の水でも生きていけますが、濃度の高い尿は腎臓に大きな負担を与えるのです。
多くの猫が5~6歳急性腎不全を発症し、そのまま改善しないで歳と共に慢性化し、15歳程度で腎臓が働かなくなり死んでしまいます。

こんな症状に要注意!

腎臓は体の中でいらなくなったもの(老廃物)をオシッコと一緒に外に出す役割を果たしています。腎不全になるとその機能がうまく働かなくなり、オシッコの回数が増えるのです。当然、飲む水の量も増えます。
猫は普段あまり水を飲まないので、この行動はすぐ目につきます。
水をいつも足してやらなくてはならなくなった」「おトイレの掃除回数が増えた」と感じたら腎不全の可能性が大です。すぐに医師に相談してください。5〜6歳の猫の場合は特に要注意です。
腎不全になると「食が細くなる」「体重が急に減る」「毛づやが悪くなる」といった症状も現れます。
寝ているアビシニアン

排出されない尿は「毒」です

腎不全は「尿毒症」を引き起こします。
尿毒症とは、本来、オシッコと一緒に体の外に出されるべき老廃物が段々と蓄積されていって、その毒素で体全体の内臓や器官が病気になってしまうことです。そのままにしておけば死んでしまう可能性があります。
尿毒症にかかると口が臭くなります。下痢や嘔吐、急激な体重減少を伴い、痙攣を起こすこともあります。尿毒症は徐々に全身を冒しますから早期発見・早期治療が大切です。

新鮮な水とフードで腎臓病を予防

水を飲む猫新鮮な水と質の高いキャットフードが腎臓病の予防に欠かせません。猫がいつでも新しい水が飲めるように心がけましょう。
猫は持って生まれた習性なのか、あちこちで水を飲むのが好きなので、水は数カ所に置くようにします。
また流しの水や風呂の残り湯などを飲まないように気をつけてあげてください。
質の悪いペットフードは、猫にとって本来は必要ない穀類の含有量が多く、消化吸収で胃腸に負担かける上、老廃物が増え腎臓にも負担をかけます。グレインフリーなど質のよいフードを選ぶようにしてください。
猫の急性腎不全は5~6歳に発症することが多いので、その年齢になったら定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
定期検診には半年に1回くらい連れて行くようにしましょう。

腎臓病治療にかかる費用と時間

慢性化した腎臓病は完治できません。気長につき合っていく必要があります。それ以上病気を進行させないため、合併症を起こさせないため、定期的に医師の検診を受けましょう。
食べ物も腎臓に負担をかけない専用のフードを用意しなくてはいけません。一概にはいえませんが治療費とフード代などで6〜11万円/月程度かかります。
検査や薬投与のための点滴、煩雑になる水の交換、トイレ掃除などで飼い主の負担も大きくなります。
高齢化したペットの介護は遅かれ早かれ訪れるものですが、「猫は腎不全を起こすものだ」という覚悟を持って、普段から愛猫の行動を見守り、ケアすることで健康寿命をより長くすることができます。


まとめ

高齢化した猫にとって逃れることのできない病気といわれる「腎不全」。しかし、近年、猫好きにとって朗報といえる知らせが飛び込んできました。2016年東京大学・疾患生命科学・宮崎徹教授の研究チームがその原因を解明したと、英科学誌『サイエンティフィック・リポーツ_Scientific Reports』に発表したのです。
腎臓の働きは、血液の中の老廃物を尿として体の外に出すことです。尿をスムーズに排出するためには尿管の中がきれいでなくてはいけないのですが、死んだ細胞のかけらがゴミとなって尿の通り道を塞いでしまうことがあります。これが急性腎不全の原因です。
人やマウスの場合、体が急性腎不全を感知すると、血液の中の「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」というタンパク質が活性化して原因になるゴミを取り除きます。
しかし、猫は急性腎不全になってもこのAIMが働かないことがわかりました。AIMを必要なときに活性化させることができれば5~6歳の段階で腎不全を治療できます。この発見は人の腎不全治療にも大きく貢献します。宮崎徹教授は「数年で猫用の薬が完成します。使用されるようになれば猫の寿命を大幅に延ばせる可能性があります」と話しています。
少しでも早い完成を待ちたいと思います。




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